容疑者Xの献身

なんだろう、評価しがたい作品だ。
割りと序盤から、犯行過程はおぼろげに見えていて、中盤で写した誰も座っていないベンチで犯行過程はほぼ見えてしまうので、推理物として見ると、いまいち。
ある意味主人公の容疑者Xの心情は共感できるところもあり、共感できないところもあり。物語が始まってからの容疑者Xである心情は個人的には全く理解不能だ。
人間の命に重みを感じていない人間が言うことでもないが、ホームレスの命が軽く扱われ過ぎの感があるが、湯川の最後の不可解な行動が、それに異を唱えるためのものなら、容疑者Xが絶望の淵に落とされ、誰も幸せにならなかったことを含めてよくできた作品とも言える。
日本映画は、良くも悪くも生活観が良く出ていると思った。